堰堤どうでしょう 【宮床ダム】

(2012年5月14日訪問)
【データ】
所在地 : 宮城県黒川郡大和町
河川名 : 鳴瀬川水系宮床川
型式 : 重力式コンクリートダム
堤高(ダムの高さ) : 48メートル
堤頂長(ダムの長さ) : 256メートル
ダムカード : あり (ただし、非統一デザイン)
駐車場 : あり
大和町の一口メモ : 仙台市からも程近く、人口は増加傾向にあるそうな…
【独り言】
ダムカードにも様々な“非統一デザイン”のものがあるが、仙台地方ダム総合事務所で貰えるここ宮床ダムカードは『みやぎダムめぐりカード』なるかなり一風変わった代物!
まぁパッと見では統一デザインカードにそっくりなのだが、気になるのはその“紙質”
うーん。これって市販の名刺用印刷用紙かなんかで作ってるのかなぁ?
ぶっちゃけちょっと安っぽいかも…あと日に当たるところに置いといたらすぐ色褪せそう(笑)
尚、みやぎダムめぐりカードは宮床ダムの他に、
仙台環境開発大倉ダム、クレアリア南川ダム、七北田ダム、惣の関ダム、樽水ダムの計6種類あったりする。
【どんなダム?】
『開放感あふれる空間でまったり過ごせる』
宮床ダムは1998年に完成した宮城県が管理する重力式コンクリートダムで、
ダムの役割としては、洪水調節・河川流水の機能維持・上水道水および農業用水の供給
…とのことですが、
このダムを訪れてみての感想としては、
堤体の直下に大きな公園が広がっている点・すぐ周りが林や山に囲まれていない点のせいか、
非常に開放感があって、景観も抜群!と言ったところじゃないでしょうか。
ダム自体も独特な形の減勢工から斜め方向に河川が繋がるというなかなか面白い形なので、
まったり見物出来るっていうのは本当に嬉しいことですよね☆
「ダムでのんびりとした時間を過ごしたーい!」
…今回の宮床ダムはそんな皆さんに強くオススメしておきたい1基だと思います!

※堤体・下流側の様子(左岸より)

※堤体・下流側の様子(右岸より)
…ということでさっそく宮床ダムの方を見ていきたい訳ですが、
ロケーションとしては如何せんかなり以前の訪問なので失念(汗)…まぁ申し訳無いんですけど、
とりあえず周辺に険しい山道などがある訳でもなく、比較的スムーズに到着することができたと思います。
堤体の第一印象としては“横長系”
完成してから15年くらい経つダムですが、周辺の緑が美しいせいかまだまだ綺麗な感じ。
新しすぎず、古すぎず…ちょうど今くらいが食べ頃と言ったところでしょうか?(意味不明)
強いて特徴を言うなら、非常用のクレストゲートとは導流壁で仕切り、
その横に常用洪水吐(自然調節のオリフィスゲート)が設けられているといった点じゃないかなーって。

※堤体・上流側の様子
…反対側から見るとこんな感じ。
こっちからだとあんまり特徴がないようにも感じますが、
よーく見ると右岸側(写真奥)にゲートなどの設備が固まって設置されていて、
とりあえず“左右非対称のダム”だということがお分かり頂けるのではないでしょうか?

※天端の様子

※天端に貼られた地元に伝わる民話のパネル
…天端は歩行者のみ通行可。
天端自体にはこれと言った特徴は見当たりませんでしたが、
ここから見ることができる下流域の広大な景色はなかなかのものがありましたよ♪
ちなみに欄干にはこんな感じで、
地元に伝わる伝説『アサイナサブロー』(朝比奈三郎)の物語がパネルによって紹介されていました。
タイトルは『七つ森』…七つ森とは下流域に実際にある“7つの山の総称”のことだそうですが、
物語の大体のあらすじとしては、
根は優しくて力持ちのサブローがなんたらかんたらで最終的に七つ森になったというお話 (…怒られんぞw)
…ま、まぁ( ;∀;) イイハナシダナー って感じだったのでこちらも機会があれば是非読んで頂ければと。
ダムサイトや周辺にもこのアサイナサブローをモチーフにしたキャラクターなどが描かれていたので、
地元の方にはとても親しまれている伝説なのかと思います。

※天端からダム直下
…ダムのすぐ真下は機能を重視したのか、はたまたデザインを重視したのか、
“変則的な多角形”をした減勢工がなかなか目を引くものがあります。
これもこのダムの見所の一つかな? よくよく見ると結構ユニークで面白いですよね☆

※天端からダム下流域
…もう少し遠くに目をやると、こういった開放的な光景が目の前に広がります。
遠目にポコポコ連なる山が先程も話に出た『七つ森』(の一部)、
手前には芝生が敷かれた結構大きな公園があります。
うん。冒頭でも話したけど、やっぱりすぐ近くに山や林が迫って来てないからだろうね…
空間自体が大きく感じると言うか、非常に清々しくて気持ちの良い雰囲気が写真からもよく伝わってきます!


※ダム湖(あさひな湖)の様子
…ダム湖はこんな感じ。まぁダム湖の名前の由来は先程の朝比奈さんから来てるのでしょう(笑)
いやはや。特別大きな感じもしなかったし、一周ぐるりと遊歩道が設けられている訳でも無かったのですが、
ここも実はダム湖百選に認定されていたりするんですね!
この宮床ダムはお恥ずかしながら訪問するまで全く知らなかった訳ですが、
特別知名度があるとは思えないし、ダム湖自体の景観が特別優れているとも思えない…
最初は「どうしてここがダム百選に選ばれてるんだろう?」なんて思ったものですが、
見物するに連れてじわじわと感じる居心地の良さ、
直下の公園には多くの地元の方がやって来てのんびり時を過ごしているという親しみやすさ。
…そういった観点からも数あるダム湖の中からここが選ばれたっていうのも少し納得いくことができました。
歴史・規模の大きさ・到達までの達成感…確かにこういうのも魅力的なんだけど、
やっぱりそれらだけじゃなくて“親しみやすさ”っていうのも大切なものなんですよねー。

※ダム直下の公園
…ということでこちらが散々話に出てきたダム直下にある公園。
犬の散歩をしている人、ジョギングをしている人、弁当を広げている家族連れ…
訪れたのは平日にも関わらず、結構多くの地元の方が集まっていたんじゃないかと思います。
まぁね…そりゃ人も自然と集まってきますわ!
だって問答無用で綺麗だったし、広々としてるし、気持ちのいい空間だったもん!
もし仮に“ダム公園百選”ってあったら間違いなくここも選ばれると思うよ、うん(笑)

※超絶景ベンチ…みたいな?(笑)
…ということで以上が宮床ダムの簡単な紹介でしたがいかがでしたでしょうか?
うん。このダムに関しては「ダム本体自体が云々…」と言うよりも、
やっぱりこの立地環境と雰囲気がナイスなんじゃないかなーって。
(自分は結構こっちの方に注目しちゃうんですけどね…)
何か偉そうな口を叩いて申し訳ないのですが、個人的には、
真の“開かれたダム”っていうのはこういう所のことを言うんじゃないかなー?とも思ったりします。
…と、ここまでかなり絶賛してみたり(笑)
まぁ何もダム見物に限らず、
ここは「広くてのんびりした公園に行きたい!」という方にもオススメしておきたい場所でもありますので、
皆様も機会があれば是非宮床ダムまで足を運んでみてはいかがでしょうか?
【…そんな宮床ダムへのアクセスはこちら】